認知症とは、認知機能の障害や、行動・心理症状が次第に進行することによって日常生活や社会生活が困難になる状態をいいます。
早期発見・早期対応をすることで、症状が軽い段階から、こころ・身体・生活の準備をすることができます。また、進行を緩やかにしたり、症状を軽快したりする治療薬の効果が期待できます。
認知症の初期症状
では、具体的にどんな初期症状が現れるのでしょうか。
認知症の原因となる病気は複数あり、その原因となる病気によって症状は様々あります。必ずしも、もの忘れだけがあらわれるとも限りません。
認知症が疑われるサインとしては以下のようなものがあげられます。
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もの忘れがひどい
- 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
- 同じことを何度も言う・問う・する
- しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
- 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う 判断・理解力が衰える
- 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
- 新しいことが覚えられない
- 話のつじつまが合わない
- テレビ番組の内容が理解できなくなった 時間・場所がわからない
- 約束の日時や場所を間違えるようになった
- 慣れた道でも迷うことがある 人柄が変わる
- 些細なことで怒りっぽくなった
- 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
- 自分の失敗をひとのせいにする
- 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた 不安感が強い
- ひとりになると怖がったり寂しがったりする
- 外出時、持ち物を何度も確かめる
- 「頭が変になった」と本人が訴える 意欲がなくなる
- 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
- 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
- ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる
「認知症によるもの忘れ」と「老化によるもの忘れ」の違い
認知症によるもの忘れは、体験したことそのものを忘れているということがあります。老化によるもの忘れでは、体験の一部を忘れ、ヒントを出すと思い出せることがあります。
例えば、「朝ごはんに何を食べましたか?」と問いかけたときに、認知症が疑われるケースでは「まだ食べていないよ。ごはんはまだかな?」と答えますが、老化によるもの忘れでは、「何食べたんだっけ・・・(ヒントを伝えると)ああ、アジの開きを食べたんだった!」というような回答が見られます。
軽度認知障害(MCI)とは
軽度認知障害(MCI)とは、いわば認知症の前段階で、軽い記憶障害などはあっても基本的に日常生活に大きな支障はない状態です。
この段階で発見して適切に対処すれば、認知症への移行を予防、または先送りできる可能性があると言われています。
- 参考文献
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- 愛知県健康福祉部高齢福祉課「認知症チェックリスト」
- 豊明市認知症地域支援推進員「豊明市の認知症ケアパス」
- 緑区地域包括ケア推進会議認知症専門部会「認知症ケアパス 名古屋市緑区」